京都が発祥の地である扇子は毎年5月15日の葵祭では十二単を着た斎王代が檜扇という扇子を持ち、御所車にのり、五穀の実りを祈願します。また、5月の第三日曜日の車折神社の、平安貴族のお祭りを再現している三船まつりでは扇流しが行われます。流れてきた扇を受け取ると芸事が上達すると言われています。また、12月13日の事始めの日には祇園の舞妓さんが1年の芸事の上達を誓いに日本舞踊の家元にあいさつに行き、新しい舞扇をもらいます。このように京都は扇を使った文化が根づいています。昭和52年10月14日に京扇子は伝統工芸品と指定されました。ふるくから京扇子を手作業で製造している有名店が数多くありますが、その有名店ならではのこだわりの京扇子をご紹介します。

有名店が大切にしていることは。

材料となる上質の竹を切って薄板にし、絹糸で綴じ合わせていきます。竹の密度が高く、少し重みが感じられるもので、ピチッときちんと閉まるものを手作業で作り上げます。扇子は広がり栄えるという意味を持つおめでたいものですし、日本を象徴するものですから、日本のすべての人に持っていただきたいものです。また、外国の方にとっても日本の美しい伝統工芸品として人気があり、お土産として買って帰られる場合が多いです。京都で生まれた扇子は鎌倉時代に中国に伝わり、その後室町時代に両面に紙を貼る仕様として戻ってきて、一般に普及していきます。江戸時代にはヨーロッパにも広まり、美しいフリルや飾りのついたものにも変化していっています。こういった扇子の広まりこそが有名店をはじめとする扇子の作り手の願いで、喜びです。

みやびやかで美しい京扇子の種類は。

まず、扇は大きく分けて二つあります。1つは薄板のみで出来上がった白檀扇、檜扇です。2つ目は紙を貼った男性用、女性用の夏の扇、茶席用の扇、祝儀用扇、能などの舞用扇、文楽などの人形用豆扇、宮中や神社で用いる有職扇があります。白檀扇は香木でよい香りがし、透かし彫りや絵が描かれたりしています。招涼用かつ装飾用です。檜扇は主に宮中の儀式用です。男女用紙を貼った扇は女性用が20センチくらい、男性用は23センチくらいです。茶席用は主に女性が使用し15センチくらいです。祝儀用は黒留袖には金銀表裏一体になったものを使用し金を表に左胸にさします。祝意と改まった気持ちを表現するものです。紙を貼った扇の竹の部分が長いものと短いものがありますがデザインの違いだけで特に意味はありません。扇は祝いの気持ちを表しますから長寿祝い等にもピッタリです。美しい扇を祝いごとでプレゼントなさってはいかがでしょうか。